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2011 年「APEC 女性と経済サミット」の講演でクリントン国務長官は、女性の潜在能力を掘り起こし、国の経済活動に女性を全面的に参加させることで経済を拡大させ、女性がGDPに貢献することが重要だと述べた。2012年「APEC 女性と経済フォーラム」の声明では、横浜市の林市長が、経済成長と繁栄には女性の参加と連携が不可欠であると訴えた。

 

女性の社会進出が進む過程で権利の向上が進み、選択肢が広がった。経済の安定は国の持続性と人々の生活 の安定に不可欠であるが、最終的に目標とすべきは、社会が個人の多様な価値観を認める中で、それぞれが幸 福で充実した人生を送ることだと考える。女性が自らの能力を生かし、自由な生き方を選択できるようになっ た点は大きく評価すべきだが、「産む性」であることをどう捉え、晩婚化・晩産化、未婚率の上昇などの問題 をどう考えるべきだろうか。

 

2012年6月23日に放映されたNHKスペシャル「卵子老化の衝撃」では、自分のキャリアを伸ばすことに専 心してきた女性たちが、いざ出産を希望しても、既に卵子が老化して妊娠できないとわかり愕然とする様子や、 学校教育でこれらの重要な事実が教えられていない問題点が指摘されていた。一方、医療技術の発達によって、 仕事を優先するために卵子を凍結しておくことに助成金を出す企業が現れるなど、倫理面の論議も呼んでいる。 産む時期や卵子凍結などについて、本当に主体的に選んだことになっているのかという問題もある。不妊治療 や凍結保存は必ず妊娠するとは言い切れない。さらに、不妊治療や凍結保存にともなう問題として、高齢出産 のリスク、責任の所在があげられる。母親の側の問題と、子どもの側の問題の 2 つがある。

 

本ディスカッションでは、卵子凍結の問題と仕事優先の社会のあり方、結婚・出産・育児に関する主体的選 択の重要性について議論し、今後私たちは「経済成長と繁栄」を優先する社会とどう向き合うべきかを考える。

 

 

 

 

第一討論 

第一討論

晩婚化・晩産化と主体的選択 

過去ディスカッション

ここでは第36回国際学生シンポジウムで使用したディスカッションテーマを公開しています。

 

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