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 環境問題を考えるにあたって、企業が環境負荷を考慮して行動するということは一つの重要な解決策になると考えられる。なぜならば、企業は各種環境負荷の最大の原因者であり技術的な解決者であるという意味で地球環境問題の解決にとって決定的な役割を果たす事が出来る。例えば、経済の成長により、もたらした利益に比例して企業が環境負荷を与えてきたという事実がある。日本国内で生じた問題だけでも当時は海洋、河川の水質汚染や工業地域での大気汚染等の産業公害が社会問題化し、地球全体へ悪影響を与えてきた。その影響が一国の領域を超え、グローバルイシューとなり地球へダメージを与えてきた。

 

 企業が最大の技術的な解決者でありながら現状は、世界自然保護基金(WWF)によるとエコロジカル・フットプリントの計算では人類は地球の自然回復力の50%もオーバーし負荷をかけているというのが現状だ。

 

 しかし、企業は利益獲得が第一目的となっているので、自社で利益にならないことは避けることが自然だ。そこで、環境経営が提唱されている。環境経営とは事業活動の中で環境への影響を削減することに取り組む事を環境経営と呼んでいる。例えば、株式会社リコーではコピー機をまた新しいものに取り替える必要なく、部分的に改良するサービスのようにリサイクルを前提に商品開発している。

 

 そんな中、企業の努力が先行しても、環境問題解決には至らない。なぜならば討論会第一部でも議論したように、消費者行動によって企業の利益獲得に繋がるからである。どんなに環境に良い商品、サービスを展開しても、それが評価軸の一つにならない限り企業経営は悪化し、環境経営を持続的に続ける事は難しくなるだろう。

 

 本ディスカッションでは、まず、第一討論会の消費者の意思決定を踏まえ、企業が経営を行うにあたって環境への配慮をする中での葛藤の原因を考え、ではどんな時に企業が環境経営を行えば企業に対するメリットが生じるか考え、実際に消費者、経営者、政府にどのような要素があれば環境経営を行うことができるか考えていく。

 

 

第二討論 

企業の環境経営と利益獲得のジレンマ​

第二討論

過去ディスカッション

ここでは第36回国際学生シンポジウムで使用したディスカッションテーマを公開しています。

 

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